【実践】FX初心者向け講座:ボリンジャーバンドの使い方

ボリンジャーバンド付きのローソク足チャート(縮小と拡大のバンドが視覚的にわかるもの) エクスパンションとスクイーズ(バンド幅の拡大・収縮)を示すチャート図

FXにおけるボリンジャーバンド(Bollinger Bands)は、トレンドの方向性だけでなく、価格のボラティリティ(変動性)を視覚的に把握できる便利なインジケーターです。

1. ボリンジャーバンドとは?

ボリンジャーバンドは、アメリカのアナリストジョン・ボリンジャーによって考案されたテクニカル指標です。価格の移動平均線(20SMA)を中心に、上下2本のバンド(±2σ)を表示することで、相場の過熱感やトレンドの強弱を視覚的に示してくれます。

ボリンジャーバンドの主な役割

  • 価格が統計的にどの位置にあるかを判断できる
  • レンジ相場とトレンド相場の変化を察知できる
  • エントリーやエグジットの補助指標になる

2. バンドの構造と意味

ボリンジャーバンドは3本のラインで構成されています。

名称 構成要素 意味・役割
ミドルバンド 20日間の単純移動平均線(20SMA) 価格の中心線。相場の基準値
アッパーバンド 20SMA +(標準偏差 × 2) 統計的に「買われすぎ」の可能性があるライン
ローワーバンド 20SMA −(標準偏差 × 2) 統計的に「売られすぎ」の可能性があるライン

3. 実践的な使い方

① バンドウォーク

価格がアッパーバンドまたはローワーバンドに張り付いたまま推移する状態を「バンドウォーク」と呼びます。これは強いトレンドのサインであり、逆張りは危険です。

② スクイーズ(Squeeze)

バンドの幅がぎゅっと縮まっている状態。相場の動きが小さくなり、ブレイクアウトの前兆であることが多いです。

③ エクスパンション(Expansion)

スクイーズ後に価格が大きく動き出すと、バンドが一気に広がる現象。これをエクスパンションと呼び、トレンドが始まったサインとして注目されます。

4. チャートパターンと判断材料

基本的なトレード判断例

シグナル パターン エントリーの考え方
逆張り ローソク足がアッパーやロワーバンドにタッチして反転 過熱感を見て反転の兆候があれば逆張り
順張り スクイーズからのエクスパンション バンドが広がり始めた方向にエントリー
継続判断 バンドウォーク中 逆張りせず、押し目・戻り目で順張り継続

補助インジケーターとの併用例

  • RSI:逆張りの過熱判断に有効
  • MACD:トレンド転換の補助
  • 移動平均線:全体のトレンド方向と併せて判断

5. よくある誤解と注意点

「アッパーバンド=売り」は危険

多くの初心者が「アッパーバンドに触れた=売り」と誤解しがちですが、バンドウォーク中の上昇トレンドで逆張りすると大きく負けることがあります。

スクイーズを待つ「トレードの我慢」も大事

常にトレードのチャンスがあるわけではなく、スクイーズなどで動意がないときは、無理にエントリーしない判断も大切です。

バンドだけに頼らない

ボリンジャーバンドは便利ですが、万能ではありません。他のテクニカル指標と組み合わせて精度を高めましょう。

6. まとめ

ボリンジャーバンドは、視覚的に価格の過熱感やトレンドの発生を判断できる優れたインジケーターです。特にスクイーズ → エクスパンションの流れを把握することで、勝率の高いエントリーポイントを見つけやすくなります。

まずはチャートにボリンジャーバンドを表示し、「動きのある場面・ない場面」を観察することから始めてみましょう。そして、他のインジケーターと組み合わせることで、より安定したトレードができるようになります。