もくじ
はじめに:不安は「知らない」と「準備不足」から生まれる
FXの不安の多くは、①情報の非対称(知らない)と②手順の曖昧さ(準備不足)に起因します。本稿では初心者の不安トップ5を取り上げ、原因 → 具体策 → 実行手順 → 確認方法の順で解消します。いきなり大きく稼ぐのではなく、「小さく失敗して学ぶ」設計で前進しましょう。
不安1:損を出すのが怖い(資金を失う恐怖)
原因
- 損切り基準がない/一貫しない
- ロット計算が感覚的で、リスクが見えない
- 強制ロスカット・証拠金維持率の理解不足
対策(行動指針)
- 1%ルール:1回の損失は口座残高の1%以内に固定
- 損切りは価格ベース(直近高安・ボラティリティ連動)で事前設定
- リスクリワード比RR≥1.5の時のみエントリー(RR:リスクリワード)
具体例:ロット計算テーブル
口座残高 | 許容損失(1%) | 損切り幅(pips) | 想定ロット(例) |
---|---|---|---|
¥200,000 | ¥2,000 | 50 | 0.04(通貨ペアにより調整) |
¥500,000 | ¥5,000 | 80 | 0.04〜0.06 |
¥1,000,000 | ¥10,000 | 100 | 0.05〜0.10 |
※レバレッジ・ペア特性・口座仕様で変わるため、ブローカーの損益計算機で必ず検算しましょう。
不安2:何から始めればいいか分からない
最短ロードマップ(初日~2週間)
- 口座開設&デモ口座準備(約30分)
- プラットフォーム基本操作(新規注文/損切り・利確の事前設定)
- 初心者向けの1指標+1ルールに限定(例:SMA20の押し目・戻り目)
- トレード日誌テンプレ導入(後述のチェックリスト参照)
不安3:チャートや専門用語が難しそう
最初は「使う言葉を減らす」のがコツ。以下のミニ辞典と図解だけで十分にスタート可能です。
- ローソク足:一定時間の始値・高値・安値・終値の箱
- トレンド:高値・安値の更新方向
- SMA(単純移動平均):一定期間の平均価格。価格の“中心線”
- サポート/レジスタンス:価格が反転しやすい帯
用語は都度メモし、自分の言葉で1行説明を書き足すと定着が早まります。
不安4:時間が取れない・続けられない
続ける工夫
- 時間固定:毎日同じ時間に15分だけ相場チェック
- 手順固定:チェックリスト化(上から順にYES/NO)
- 目標固定:最初の1か月は“学習の質”をKPIに(勝敗は二の次)
不安5:詐欺や悪質情報が怖い
見極めのコツは“再現性”と“検証可能性”です。
- バックテスト条件が明示されているか(期間・ペア・手数料・スプレッド)
- 勝率だけでなくRR・ドローダウンの開示があるか
- “必ず儲かる”系の表現は即回避
実践チェックリスト:最初の2週間
項目 | 基準 | 確認方法 |
---|---|---|
リスク管理 | 1回の損失≦1% | 発注前にロット電卓で確認 |
エントリー | RR≥1.5のみ | 損切り・利確を先に入力 |
記録 | 毎回スクショ+1行メモ | 日誌テンプレに貼付 |
振り返り | 週1回まとめ | 3勝負で改善点を1つ決定 |
よくある質問(FAQ)
Q. いくらから始めるべき?
検証と習慣化が目的の初期はデモ→小額実弾の順が安全。小さく始めて長く続けましょう。
Q. どの時間足が良い?
1時間足など、ノイズが少なく意思決定回数が適度な足から始めると理解しやすいです。
まとめ
- 不安は「未知」と「曖昧さ」から生まれる。情報を絞り、手順を固定しよう。
- まずは1%ルールとRR≥1.5で“守る勝ち方”を体に入れる。
- デモ→小額→振り返りの小さく学ぶ循環が最短距離。