【資産運用】FX講座:短期・中期・長期運用の違い
もくじ
短期・中期・長期の基本定義
資産運用をFXで考えるとき、短期・中期・長期は「どの時間軸の値動きにリスクをとるか」という意思決定のラベルです。時間軸が変われば、必要な観察指標・ルール・心理負荷も変わります。
| 区分 | 想定期間 | 主な狙い | 代表手法 | メリット | リスク/注意 |
|---|---|---|---|---|---|
| 短期 | 数分〜数日 | 値動きの波を素早く取る | スキャル/デイトレ | 回転が早い・機会が多い | 手数料負担・過剰トレード |
| 中期 | 数週間〜数ヶ月 | トレンドの中腹をつかむ | スイング | ノイズが減り判断しやすい | 保有中の含み損耐性が必要 |
| 長期 | 半年〜数年 | 金利差/マクロ循環に乗る | 長期保有・積立・キャリートレード | 時間分散・複利の恩恵 | 機会損失・相場観の転換 |
期間ごとのメリットとデメリット
短期は機会の多さが魅力ですが、手数料と判断回数の増加で再現性を落としがちです。中期はノイズを減らし、トレンドの中腹を狙う現実的な選択肢。長期はファンダと金利差(スワップ)を取り込む設計で、複利の恩恵を受けやすくなります。
重要なのは「自分の生活サイクルと観察頻度に合うか」。観察に割ける時間が短いのに短期を選ぶと、ルール逸脱の確率が跳ね上がります。
戦略設計:資金配分とポートフォリオ例
ここでは、100万円を例に短・中・長を併用するポートフォリオの一案を示します。例:短期30%、中期40%、長期30%。ボラティリティの相関がズレるため、資産曲線が滑らかになりやすいのが狙いです。
| 配分 | 想定勝率 | 想定RR | 月間トレード数 | 狙い |
|---|---|---|---|---|
| 短期 30% | 50〜55% | 1:1〜1:1.2 | 40〜80 | 小波の回収 |
| 中期 40% | 45〜50% | 1:1.5〜1:2 | 8〜20 | トレンドの中腹 |
| 長期 30% | 40〜45% | 1:2〜1:3 | 1〜6 | 金利差と循環 |
テクニカル×ファンダの使い分け
短期はテクニカル主導。移動平均(5EMA/20EMA)、ボリンジャーバンド、VWAP、出来高代替(ティック)で流れと圧力を見る。中期はMAの傾き・高安値更新・フィボナッチ、加えて季節性とポジション動向。長期は金利差・CPIや雇用統計、中央銀行の政策サイクル。
同じ通貨でも時間軸ごとに“別の生き物”。全時間軸で同一の根拠を求めると認知負荷が増え、判断が鈍ります。
リスク管理:ロット・損切・リスクリワード
短期:1回の損失を口座の0.5〜1.0%以内、固定値幅またはボラ基準(ATR×k)。中期:0.8〜1.5%。長期:1.0〜2.0%。利確はRR(リスクリワード)で先に決め、到達後は分割利確+移動ストップで残す。
- ロット算出(例):ロット = (口座残高 × 許容損失%) ÷ 損切幅(pips) ÷ 100
- 許容ドローダウン(連敗想定):短期 8〜12%、中期 10〜15%、長期 12〜18%
- 分散:同一相関の通貨ペアを同時に保有しすぎない
経済指標とイベントの影響
短期は発表前後の急変動でスリッページが大きく、ストップの実効距離が伸びやすい。中期は指標後のトレンド再開・反転を狙う“二波目”が軸。長期は政策金利やインフレトレンドの持続に着目し、ノイズは無視。
具体的な売買ルール雛形(短/中/長)
短期ルール雛形
- 5EMAが20EMAを上抜け、直近高値をブレイクでエントリー。
- 損切=直近スイング下+ATR(14)×0.5、利確=RR1.2以上。
- ロンドン/NY前半に限定、ニュース30分前後は休む。
中期ルール雛形
- 日足で高値切り上げ・安値切り上げ、4時間足で押し目買い。
- 損切=押し安値の下、分割利確+トレイリング。
- 週次でポジション調整、重要指標は一部クローズ。
長期ルール雛形
- 政策金利差が拡大傾向、週足の200SMA上を維持。
- 緩やかな積立、リバランスは月次/四半期。
- 相場観の前提が崩れたら一括撤退。
よくある失敗と回避策
- 短期:連打エントリー/取り返し売買。→ ルールに“連続損失時の停止”を明記。
- 中期:ニュースで感情決済。→ プラン通り一部だけ縮小、全決済は原則しない。
- 長期:相場観に固執。→ “撤退トリガー”を事前に数値で決める。
まとめ
短期・中期・長期は優劣ではなく役割分担。自分の可処分時間、ストレス耐性、資金規模に合わせて時間軸を組み合わせれば、資産曲線はより安定します。まずは小さくテストし、データで確かめながら配分を最適化しましょう。
ポイント:時間軸が変わると有効な指標も変わります。短期で機能したプルバックが中期では“ただのノイズ”に見えることもあります。検証の単位(例:年別、相場環境別、ボラ水準別)を揃えて比較し、同条件でメトリクス(勝率、RR、PF、最大DD、平均保有時間)を出すこと。また、生活リズムに合うセッション(東京・ロンドン・NY)を選ぶことは、メンタルの一貫性を担保します。
ポイント:時間軸が変わると有効な指標も変わります。短期で機能したプルバックが中期では“ただのノイズ”に見えることもあります。検証の単位(例:年別、相場環境別、ボラ水準別)を揃えて比較し、同条件でメトリクス(勝率、RR、PF、最大DD、平均保有時間)を出すこと。また、生活リズムに合うセッション(東京・ロンドン・NY)を選ぶことは、メンタルの一貫性を担保します。
