【トレンド追従】FX記事:押し目買い・戻り売りの狙い方

押し目買い・戻り売りの狙い方

【トレンド追従】FX記事:押し目買い・戻り売りの狙い方

イントロダクション

押し目買い・戻り売りは、“上位足の流れに沿って安く買い/高く売る”王道戦略です。

多時間軸で方向を合わせ、移動平均線(EMA/MA)と価格構造(スイング高安)、ボラ指標(ATR)を使い、“待つ→入る→守る→伸ばす”をテンプレ化します。

押し目/戻りの定義と誤解

定義:上昇トレンドなら押し目買い=一時的な下落から再上昇を狙う。下降トレンドなら戻り売り=一時的な上昇から再下落を狙う。

  • 誤解1:どこまで落ちたら“押し目”? → 構造とMAの位置で判断(直近安値の上で反発/5EMA→20EMA→75SMAの並び)。
  • 誤解2:“反発”=すぐV字で戻る → 実際は横ばい〜小さな旗を作るまで待つ方が再現性が高い。
  • 誤解3:指値を置けば全部取れる → 方向と勢いが鈍い日は見送りの勇気。

多時間軸の合わせ方(4H→1H→5m)

時間軸の役割分担:

  1. 4H/日足…トレンド方向の判定(高値安値の更新、MAの傾き、ATRの拡大/収縮)。
  2. 1H…セットアップ(押し/戻りゾーンの抽出、フラッグ/ペナント形成の把握)。
  3. 5分/15分…トリガー(小さな構造崩れ、MAクロス、上位ゾーンでのプライスアクション)。

セットアップの作り方(MA/構造/ボラ)

押し目/戻りはMA×構造×ボラの三点で評価。以下が最低限のセットアップです。

要素 基準 注意 役割
MAの並び 上昇:5EMA>20EMA>75SMA / 下降:逆 角度が横ばい→見送り 方向確認の一次判定
構造 直近スイングの高安が切上げ/切下げ 直近安値割れ/高値超えで無効 “間違い”の位置を提供
ボラ ATR(14)が過去100本平均以上 指標直後はスプ拡大に注意 SL/トレール幅の基準
// Pine-like擬似:上位足確認と押し目ゾーン抽出
isUp = ta.higher(high, 1) and ta.higher(low, 1) and ta.ema(close,5) > ta.ema(close,20) and ta.sma(close,75) < close
atrExp = ta.atr(14) > ta.sma(ta.atr(14),100)
pullZone = ta.valuewhen(ta.crossover(ta.ema(close,5), ta.ema(close,20)), ta.ema(close,20), 0)  // 20EMA付近
alertcondition(isUp and atrExp, "UpTrend Pullback Ready", "上位足上昇 + ATR拡大。押し目準備。")

エントリーの具体例(3型)

“入る型”は3つ。全て“間違いを認める価格(SL)”が明確であることが条件です。

  1. 型A:20EMAリテスト…上位足上昇×1Hで押し→5/20EMAのゴールデンクロス(5m/15m)で成行。
  2. 型B:前回高値(安値)の役割反転…ブレイク後のリテストで反発を確認しエントリー。
  3. 型C:小フラッグのブレイク…旗/ペナントを作ったのちブレイクで入る。
// 概念(上昇)
entry = close
sl = math.min(swingLow, ta.lowest(low, 5)) - ta.atr(14)*1.0
tp1 = entry + (entry - sl)*1.2
tp2 = entry + (entry - sl)*2.0

損切りと位置の根拠

損切りは“ノイズでは届かず、否定が確定する場所”。優先順:スイング外側>役割反転ライン外側>ATR×係数。

// ロット(リスク一定)
risk_pct = 0.005
stop_pips = abs(entry - sl) / pip_value
lot = account_balance * risk_pct / (stop_pips * pip_value)

利確・分割・追撃・建値保全

出口設計:

  • TP1:1.2Rで30〜50%利確+建値保全。
  • TP2:2R〜3R。日足帯・ラウンドで調整。
  • トレーリング:ATR(14)×1.5。伸びる日は触らない。
  • 追撃:フラッグ上抜け/下抜けで小ロット追加(合計リスクは初期Rの1.5倍以内)。

ツールとアラートの実装

アラート&ログ:

  • 20EMAタッチ、直近高安到達、ATR閾値超えを通知。
  • チェックリストで“方向→ゾーン→トリガー→サイズ→SL→TP→記録”。
  • CSVログで再現性を評価。

ケーススタディ

ケース1:USDJPY 押し目買い(型A)—4H上昇、1Hの20EMAタッチ、5mクロスで参入、2.1R。

ケース2:XAUUSD 戻り売り(型B)—1H安値ブレイク後の役割反転、陰線確定でショート、スプレッド拡大でロット半減。

ケース3:NASDAQ100 継続パターン(型C)—旗形成→ブレイク→ATRトレールで引っ張り、3R到達。

よくある失敗と対処

よくある失敗:

  • 飛び乗り → 最小ロットで“定型参加”し、本命はゾーンで待つ。
  • SL近すぎ → ATR基準に戻す。
  • 条件過多 → MA×構造×ATRに圧縮。

FAQ

Q. フィボの使い方は?
上位スイングの38.2〜61.8を“ゾーン”として使い、単体では判断しない。

Q. どの時間足?
方向は4H/日足、セットアップは1H、トリガーは5m/15m。

Q. 指標は?
基本見送り。取るならサイズ1/3に縮小し、建値保全を早める。

まとめ

まとめ:

  • 方向一致→ゾーン→トリガーの順で意思決定。
  • ロットはリスク一定・SLは否定の外側。
  • 分割利確とATRトレールで再現性を高める。

心理マネジメントとルーチン

FOMO(取り残され恐怖)対策:最小ロットのブレイク参加をルーチン化し、押し目本命まで待てる心を作る。

  • “見送り日”を成果とみなす(再現性スコア)。
  • 違反したら翌営業日はサイズ半減ルール。
  • 日次KPI:ルール遵守率、平均R、PF、最大連敗。

KPIダッシュボード(例)

指標 定義 目標 改善策
遵守率 ルール通り実行の割合 90%+ チェックリスト化・自動アラート
平均R 1取引あたりのR 0.3R+ 分割利確・トレール最適化
PF 総利益/総損失 1.3+ 損小利大の徹底
勝率 勝ち割合 40〜55% ダマシ回避の精度向上

半自動運用の実装メモ

// Webhook例(概念)
// 条件成立 → Zapier/IFTTT → Slack通知 or MT5スクリプト起動
// ログCSV: timestamp,symbol,tf,setup,entry,sl,tp,atr,ma_angle,result_R

運用プレイブック(印刷用)

  1. 方向チェック(4H/日足):HHHL/LLLH、MAの角度、ATR拡大を確認。
  2. ゾーン選定(1H):20EMA、前回高安、フィボ38.2〜61.8、出来高の節。
  3. トリガー(5m/15m):小フラッグのブレイク、MAクロス、ピンバー/包み足。
  4. サイズ計算:口座×0.5〜1.0%リスク ÷ SL距離。
  5. 実行:約定後すぐにOCO(TP1/SL)設置。通知オン。
  6. 管理:1.2Rで分割+建値保全、ATR×1.5でトレール。
  7. 終了:3条件崩れ/トレール割れ/日足帯タッチで全撤退。
  8. 記録:セットアップ画像とCSVログを保存。翌朝に“条件→結果”を振り返る。

追加FAQ

Q. 20EMAとフィボが離れたら?
重なる日を待つ。重なると“支持の合流”で再現性が上がる。

Q. 週初はどうする?
方向未確定が多い。4Hの角度がつくまで最小参加のみ。

Q. 追撃のやりすぎ対策?
合計リスクを初期Rの1.5倍以内に制限し、追加は2回まで。

チェックリスト(コピペ用)

[方向] 4H/日足 HHHL/LLLH ___  MA角度 ___  ATR拡大 ___
[ゾーン] 20EMA ___  前回高安 ___  Fib 38.2/61.8 ___
[トリガー] 小フラッグ ___  MAクロス ___  パターン ___
[サイズ] 口座×リスク%:___  SL距離:___  ロット:___
[管理] TP1 1.2R ___ 建値 ___ ATRトレール ___
[記録] 画像保存 ___ CSVログ ___

チャート例の文章解説(テキスト代替)

図A:上昇トレンド中、1Hの20EMAまで押して横ばい(小フラッグ)。5mで上抜け、エントリー。SLはフラッグ下限−ATR×1.0。

図B:下降トレンド中、前回安値を下抜け後に戻りが入り、役割反転で陰線ピンバー。ショート、SLはピンバー上。

図C:ボラ拡大日、ATRが急騰。TP1は早め、建値保全を速く、最終は日足抵抗で分割。

運用オプション

  • 時間フィルター:ロンドン・NY重複時間を優先。アジアは最小参加。
  • 銘柄フィルター:スプレッドが狭い主要通貨から開始。XAUUSDはサイズ控えめ。
  • 週末ルール:金曜NY後半はポジ縮小。ギャップ回避。

リスク注意事項

  • ニュース直後は想定損失>許容損失になりやすい。ロット自動減衰式を推奨。
  • 板の薄い時間帯は指値優先。入れない時は入らない。
  • 繰り返しの小損はコスト。大損を避ける設計がPFを押し上げる。

ケース追補

ケース4:GBPUSD ロンドン初動。上位上昇、1H押し→5mピンバー後の包み足でロング。2.4R。

ケース5:USDJPY アジア時間の小動きは見送り。ロンドンで角度がついてから型Aで参入し損小利大。

ケース6:XAUUSD 指標跨ぎ。最小参加のみで建値保全を優先、指標後の押しで本命追加。

注意事項

本稿は教育目的の一般的な解説です。実運用では必ず自己判断・自己責任で、口座状況やスプレッド、滑り、約定力など実ブローカーの仕様を考慮してください。過去の有効性は将来を保証しません。