【中級】FX講座:複数通貨ペアでの分析方法

複数通貨ペアでの分析方法

複数通貨ペア分析の目的と設計思想

複数通貨ペアを同時に追う最大の利点は、最も有利な組み合わせ(強い通貨 vs 弱い通貨)を選べることです。一方でデメリットは情報過多とポジション被りになりやすいこと。設計思想は「広く観て、狭く打つ」。ニュースとテーマを軸に候補を3ペア以内に絞り、同じ儀式で優位性を評価します。

相関の骨格:USD・EUR・JPY・Goldの関係

アセット よくある役割 相関の目安 注意点
USD 基軸・金利感応 金利上昇で強くなりやすい リスクオフでも買われやすい
EUR 景気連動色 米との金利差で変動 要人発言で急変
JPY セーフヘイブン リスクオフで買われやすい 介入・政策の制度要因
XAUUSD 実質金利と逆相関傾向 金利低下・不確実性上昇で上昇 指標時はフェイク多

相関は不変ではなく、局面(regime)で変化します。週次で見直しましょう。

通貨強弱の測り方:手計算と半自動

主要ペアの変化率を合算して通貨ごとの強弱スコアに変換します(USDがベース/クオートで符号を調整)。半自動化はスプレッドシートやPineでOK。これで「強い通貨 vs 弱い通貨」のマッチアップが見やすくなります。

通貨 対象ペア 変化率の例 合計スコア
USD EURUSD, GBPUSD, AUDUSD, NZDUSD, USDJPY, USDCAD 各%変化(符号調整) 合算→順位
JPY USDJPY, EURJPY, GBPJPY, AUDJPY, CADJPY, CHFJPY 同上 合算→順位

ウォッチリストの作り方と更新儀式

  1. テーマ仮説(ニュース/指標)を確認
  2. 4H/1Hでトレンドと重要水平線を更新
  3. 通貨強弱スコアを集計し上位/下位を特定
  4. 「強 vs 弱」で3ペア以内に絞って15M/5Mでシナリオ化
  5. 価格帯アラートをセットし、条件が揃うまで入らない

戦略テーブル:スタイル別の扱い

スタイル 推奨ペア数 上位足 中位足 下位足 主なKPI
スキャル 1〜2 1H 15M 1M/5M スプレッド比, ヒット率
デイトレ 2〜3 4H 1H/15M 5M RR, 日次回数
スイング 1〜2 日足 4H/1H 15M/5M RR, 滞在時間

ケーススタディ:USDJPY・EURUSD・XAUUSD

USDJPY

  • 金利・政策差のテーマ。4Hで骨格、1H/15Mで押し戻り、5Mでリテストをトリガー。

EURUSD

  • 米欧金利差が軸。1Hでレンジ/ブレイク、15Mで分岐、5Mで時間帯を合わせる。

XAUUSD

  • 日足/4Hの広い境界で待ち、初動は追わず二段目のリテストを狙う。

ポジション被りとリスク集中の回避

USDJPYロング+EURUSDショートは実質USDロングの二重取り。通貨別エクスポージャを集計し、同方向の合計が閾値を超えたら新規を見送り/縮小。相関の高いペアは同時保有しない。

よくある誤解と落とし穴

  • ペアを増やせば勝てるは錯覚。観測は広く、実行は狭く。
  • 相関は不変ではない。regimeで変化、週次レビュー。
  • 同一戦略の一律適用は非効率。銘柄の癖を尊重。

FAQ:運用の細部

Q. 何ペアから始める? A. 6大+XAUUSDを観測、実運用は2〜3。

Q. 通貨強弱の周期は? A. デイは日内、スイングは週次。上位足を優先。

Q. 逆相関の同時エントリーは? A. ヘッジのつもりが両損になりやすい。原則避ける。

チェックリスト&テンプレ

  • 相場テーマは?
  • 通貨強弱スコアの上位/下位は?
  • 候補3ペア以内?重複リスクの有無は?
  • 上位→中位→下位の分業は明確?
  • RR、撤退条件、再エントリー条件は?
<テンプレ>
Theme: U.S. yields rising, risk-on.
Strength Ranking (H4): USD > CAD > EUR > JPY.
Focus Pairs: USDJPY long, USDCAD long.
Scenario: Pullback to key level, retest confirmed, trigger on 5M.
Risk: 15p, Target: 30p (RR 1:2). Avoid EURUSD short to prevent USD exposure overload.
</テンプレ>

まとめ

骨格(相関と強弱)→候補絞り→儀式化。これを回すだけで、余計な取引が減り、価値の高いトレードだけが残ります。